気象予報士 江花純 執筆監修 「シロアリと天気」特集コラム

実物は見たことがないけれど、多くの人がその存在を知っている動物。その一つにシロアリがあります。「白い蟻？アルビノ？」「家を食べる害虫でしょ。」「聞いたことはある。」こうした反応が大多数だと思います。今年は干支の「へび」にちなんで白蛇さまとして白い蛇が祀られているようですが、アリはどうでしょう(笑)。自分もシロアリの何を知っているわけでもありません。家を食べる駆除されるべき虫で、見つけようと思ったら、家の床下が怪しそうだ、くらいの認識です。
そんなシロアリのことを調べようと、数冊の本を机の上に置いていたところ、「シロアリに興味あるんですか？うちの子供も大好きでよく見てます。」と女性社員が声を掛けてきました。ビックリです！「何で知ってるの？どこで見たの？」訊いてみると、なんと幼児向け昆虫図鑑の付録DVDだそうです。そういう時代か。と思いつつ、断然興味が湧いてきました。
幼児でも知っているのに、多少の知識は持っていないと、おじいちゃん世代として恥ずかしいので調べていくと、その活動が、気象や気候に大きな影響を受けていることがわかりました。普段は目にすることのないシロアリが、季節や気象条件によって活動が活発になり、発見することもできるのです。木造の家屋にお住まいの方にとっては、一生の財産を食いつぶすかもしれない厄介な相手ですから、正しい知識を持っていて損はありません。
シロアリは、食物連鎖の最下層にいる弱小動物で、単に生きていく手段として、家の柱を食べているのです。人間から見ると、家の柱や土台までも食べてしまう害虫ですが、自然界からすると、枯葉や朽木を土に還す重要な役割を担っていて、益虫といえる面もあるのです。シロアリから見ると、木造住宅はグリム童話ヘンゼルとグレーテルに登場するお菓子の家に見えているのでしょう。
個々は非力ですが、集団で行動することによって、家を蝕む勢力にもなるのです。そして、狙われるような環境を作っているのはあなたかもしれません。シロアリについて、少しだけ知って、対策に役立てたいと思いませんか。そしてまさに春がシロアリ対策の絶好のタイミングなのです。

春の色は？と訊かれたら、私のような頭の凝り固まった古い人間は、「青」だと自慢げに答えるでしょう(笑)。いつ教わったのか、古代中国の五行思想の色と季節を組み合わせた「青春、朱夏、白秋、玄冬」という言葉が染みついていて、若さの象徴である「青春」は、今でも普通に使われていますから。ただ、ネットの調査などを見ても、一般的にはピンク（サクラ色、もも色）や菜の花の黄色、それに近い暖色系のパステルカラーを挙げる人が圧倒的に多いようです。
「シロ」はどこにいったのか。春の真ん中である4月の誕生色が「白」でした。清潔感や可能性を感じさせる色であるとともに、春に咲く白い花も多いようです。日本では年度始めでスタートに相応しい色ともいえます。この時期、白い花を咲かせるアネモネは英語でwind flower（風の花）といい、ギリシア語で風はアネモス、アネモネは風の娘を意味します。春風によって最初に咲く「風の花」がアネモネというわけです。どこかのロマンチストが風を測る機械をアネモメーター（風速計）、アネモスコープ（風向計）と名付けたのでしょう。英語の春SPRINGはバネとか跳躍とかと同じ意味で、日本語の春も「張る」「みなぎる」というところから来ています。シロアリも春の訪れに敏感と見えて、この時期「はねる」のです。そう、羽（翅）が生えて「羽アリ」に変身する集団がいるのです。
集団で生活するシロアリは、巣が手狭になるこの時期、新たなコロニーを作るために旅立つ準備をします。陽に弱いからといって夜な夜な移動するわけではありません。羽が生えて長距離移動が可能になるだけでなく、体の色も黒っぽく変色して、太陽の光に一時的にせよ耐性を持つようになるのです。多くの人にとって、この羽アリこそがシロアリとのファーストコンタクトになるわけです。しかし、初対面で想像していた色とは変わってしまっているので、シロかクロか見た目にはわからないかもしれません。
そんな時はスマホで撮影して希少映像を残しておきましょう。後日専門家に見てもらい、シロアリとわかれば即駆除で被害を最小限に抑えられるわけですし、気持ち悪いと目を背けずビビらないことが大事です。対面して一番ビビっているのは、弱小生物シロアリの方ですから。(笑)

クロアリは誰もが知っているように、夏にアイスの棒でも放っておけば、クロアリホイホイ、文字どおりすぐに黒山のできあがりです。シロアリはどうでしょう？見ようと思ったら木造家屋の床下を探すしかないのでしょうか。私のイメージでは虫探しの時のミヤマクワガタくらいに、希少性がありそうですが、意外にもクロアリに比べてシロアリの方が数は圧倒的に多く、地球上で最も数が多い昆虫の一種とも言われているのです。小さすぎて見えないわけではありません。
生態系ピラミッドの最下層に属する動物ですから、上位の動物に捕食されても種が生き残れるように数では負けません。では、上位の動物でシロアリを捕食するのは、、、天敵トップ3は、クロアリ、クモ、ツバメだと言われています。「えっ、クロがシロを食べるの？」と驚かれるでしょう。スズメバチがミツバチを捕食することは『昆虫物語みなしごハッチ』で育った世代はご存知だと思いますが、似たようなことがアリの世界でもあるのでしょうか。実はそういう話ではなく、シロアリとクロアリはそもそも種類が違う別の生き物なのです。
クロアリは「ハチの仲間」ですが、シロアリは「ゴキブリの仲間」なのです。「一匹見たら、一万匹いると思え」といわれるほどで、数十万匹のコロニーを形成しているのが普通です。私たちが知っているゴキブリは、「一匹見たら百匹いる」と言われていて、殺虫剤のCMか何かで聞いたことはあると思いますが、それ以上の集団で行動しています。先入観を持たれるので、この話はしたくなかったのですが、ゴキブリの仲間と言っても私たちが知っているゴキブリとは大きさも見た目も違いますし、よく見るとクロアリとも違います。
シロアリは日光に弱いので、日陰で安心して餌である木材（セルロース）を食べられたら最高です。シロアリの気持ちになると、冬の間も活動を続けられるよう、寒すぎない環境がいいですし、暑すぎてもバテてしまって食事の量が減少し、活動は不活発になってしまいます。実際に寒さの厳しい北海道ではシロアリ被害は多くはありません。また、住み続けるには、直接の雨風をしのげる所の方がいいわけです。しかし、種類によっては湿気を好むシロアリもいて、日本の広い範囲に生息する在来種の「ヤマトシロアリ」は、湿気を好むので、日本人が嫌う環境を好むようなのです。

気象庁では、生物季節観測を昭和28年（1953年）から全国で統一した観測方法で始めていて、令和2年までは全国の気象台・測候所58地点で植物34種目、動物23種目を対象に、開花や初鳴き等を観測してきました。一番馴染みがあるのはサクラの開花・満開だと思います。今では新聞、テレビなどのメディアだけでなく、民間気象会社もこの時期には連日靖国詣でをしていて、きょうかあすかと開花の発表を待ちわびます。気象台職員による開花発表は、ここ数年、テレビショー化しています。
生物季節観測というのは、季節の遅れ進み、気候の違いや変化を的確に捉えることを目的としていましたが、近年は気象台・測候所周辺の生物の生態環境が変化していて、「動物」季節観測においては対象を見つけること自体が困難となってきています。かつては東京の観測種目に「アオダイショウの初見（しょけん）日」があったことをご存知の方も今ではそう多くはないでしょう。
このため、気候の長期変化を全国的に把握することに適した代表的な種目・現象を継続し、その他は廃止することとなりました。令和3年1月から生物季節観測は6種目9現象だけが対象となり、動物季節観測はすべて廃止になったのです。動物季節観測で知られていたのは、ツバメの初見日でしょう。フィリピンやマレー半島など南の地域から、九州から北海道にかけて渡来し初めて見た日です。人家の軒先などで巣を作りますが、ひなへの餌やりを見たことはありませんか。シロアリも餌の一つです。ツバメの飛来時期というだけでなく、シロアリを捕まえやすい季節になっているのですね。
シロアリが春の時期に活動が活発になり、雨上がりの暖かい日にスウォーム（群飛）することが知られています。そういうことであれば、シロアリ出現の平年日も大まかにわかりそうです。気象庁の生物季節観測が、気象台などにおける定点観測であるのに対して、シロアリは毎年同じ場所で発生するわけではないので、厳密には平年日などは計算できません。しかし、この発生データを記録・収集し、統計的に把握したのが、シロアリ駆除の会社アサンテです。このたび、新たに得られた知見から、シロアリの活動度の予測を4段階で発表します。もちろん最高ランクが出たからといって、必ず遭遇するわけではありませんが、次章ではそんなシロアリに出会わずに済むにはどうしたらいいのか考えていきましょう。

どんな所に住んで、どんな生活がしたいかは、誰でも希望があって、陽あたりが良くて、空気がきれいで、でもポツンと一軒家はちょっと、、、とか、言い出したらキリがありません。集団生活をするシロアリの場合、第一に必要なのは大好物のセルロースがある所！セルロースは地球上で最も多く存在する炭水化物で、木材の7割がセルロースでできています。国土交通省の調査によると、日本の一戸建て住宅の88％が木造住宅ということですから、全国どこでも住みやすそうですが、床下といえども冬の厳しい寒さには弱く、北日本ではシロアリの生存は難しくなるようです。
さて、そんなシロアリが棲み着く家には特徴があって、大きく以下5つ。
１．メンテナンスをしていない家
２．床下を点検できない家
３．基礎の通気口がふさがれている家
４．配管からの水漏れや、雨漏れのある家
５．タイル壁のお風呂のある家
が挙げられます。
経年劣化や台風などの自然災害等々要因は様々ですが、ひび割れなどができて、家の中に水が浸入して湿った状態になり、木材が腐食したりしたらシロアリは大喜び。爆発的に繁殖します。「新築だから大丈夫」は通用しないのです。シロアリの好む床下が点検できないと、メンテナンスも難しいでしょう。また、床下の通気口がエアコンの室外機などで隠れている場合もあるかもしれませんが、ここはオープンにしてください。猫とかネズミとかが入れないように本格的に塞いでいる家もたまに見かけますが、通気が悪く湿気が溜まると床下が結露して、シロアリには最高の環境になってしまいます。
水漏れ、雨漏れも湿気対策です。それと大雨が発生するとニュースでは、「床下浸水○戸、床上浸水□戸」といった発表がありますが、“床下で良かった”ではないんですね。すぐにシロアリがやってくるわけではないので慌てる必要はありませんが、浸水後の排水や泥の撤去、さらに乾燥と、シロアリ防除に必要な処置をお願いします。タイルのお風呂も経年劣化で土台や柱はシロアリの発生しやすい場所です。脱衣場の床がブカブカしていたら、そこはもうシロアリ天国。

今年は3月5日が二十四節気の「啓蟄（けいちつ）」でした。この日はテレビのニュースや天気予報で、必ずと言っていいほどこの言葉が登場します。語源は、蟄虫啓戸（すごもりむし とをひらく）に由来していて、「春の暖かさを感じて、冬ごもりしていた虫が外に這い出てくる頃」とされています。「啓」にはひらく、開放する、（夜が）明ける、「蟄」には冬ごもりのために虫が土の下に隠れる、とじこもる、という意味があるのです。
ただ、実際に関東でヘビやトカゲが姿を見せるのはこれより一カ月程度あとで、4月に入ってからのことが多いようです。シロアリも例外ではありません。日の光に弱いシロアリが、外に這い出てくることはありませんが、我々の気付かない床下で、着々と準備をしているのです。シロアリ時間で考えてみると、関東から西の各地では「啓蟄」に続く、「春分」、「清明」を通り越して「穀雨（4 月20日頃）」や、「立夏（5月6日頃）」の頃に、集団の一部が羽アリに変身して外に出てくるのです。それが「スウォーム（群飛：ぐんぴ）」です。スウォームと聞いて、「知ってる。キムタク出演の海外ドラマでしょ。」と反応する人は相当なファンですね(笑)。ドラマとは直接関係ありませんが、スウォームは、動物の大群や人々の集まる状況で使用され、群がるとか押し寄せるという意味があるのです。
さて、二十四節気を取り上げて、情緒豊かな言葉を作った日本人や、日本語の奥深さを称える人もいます。日本古来のものと思っている人も少なからずいらっしゃるようですが、起源をたどれば中国の東北区でできた暦ですから、すべてが日本仕様ということではありません。一年で一番暑さが厳しい頃を表す「大暑（たいしょ）」や一番寒い頃を表す「大寒（だいかん）」は日本の気候とも合っているようですが、その他の節気は鵜呑みにはできないのでご注意を。シロアリのスウォームもその一例です。「穀雨」「立夏」、この言葉を聞いたなら、シロアリの出現に注意が必要です。
おまけでもう一つ、日本ではあまり取り上げられなかったと思いますが、「二十四節気」は2016年に中国がユネスコの無形文化遺産に登録しています。ご存知ない方が多いようですね。もちろん「使うな」とは言われないと思いますが。

乾燥注意報が発表されると、「火の取り扱いに注意」ということで、天気予報の中でも注意が呼びかけられます。冬は西高東低の気圧配置になると、太平洋側では晴れて空気が乾燥しますが、日本海側は雪や雨で気温は低いものの、割と空気は潤っています。その北風優勢の季節から南風優勢の季節に変わるのが、ちょうど4月なのです。風の交差点と言っていて、南風が優勢になると太平洋側の乾燥の季節は終わりに近づきます。代わってシロアリの好む高温多湿の季節が始まるのです。梅雨時期のような蒸し暑さはもう少し先ですが。
気象庁の発表する乾燥注意報は、その日の予想最小湿度と実効湿度の基準をもとに発表され、例えば東京地方の基準は「最小湿度25％で実効湿度50％」となっています。地域によって基準は多少異なりますが、一日だけ極端に乾燥した日があっても発表されません。この「実効湿度」というのは何かというと、数日前からの湿度を考慮に入れて計算している指数のことで、実効湿度が50～60％以下になると火災の危険性が高まります。つまり、木材の乾燥度合いを表している、と考えてもいいわけです。
在来種のヤマトシロアリは、雨上がりで、気温が高くなる日に群飛することが知られていて、前日（直近）の湿度が高くて、その後気温が急上昇する日がベストです。「気温が高い」のと「湿度が高い」のは相反する事象ですから、当然気温が高くなれば、湿度は下がります。雨上がりに天気が急速に回復して気温が上がる時は、湿度は下がりますが、乾燥注意報は一時的にせよ出ていないことが多いと思われます。
気温がジャンプするには、温度差の大きな空気が入れ替わることが重要ですから、そこには前線が存在しています。3～4月の「菜種梅雨」、5月前半の「たけのこ梅雨」、秋と冬の間の「さざんか梅雨」など、季節の変わり目には雨が関わっています。天気図には表現されていない場合もありますが、こうした雨をきっかけに気温が上がることが多いのです。

ひとくちに「シロアリ被害」といっても、おそらくシロアリによって倒壊した家屋は見たことがないでしょう。柱の一本ぐらい食べられても、ということもありますが、本当に被害が表面化するのは、台風による暴風や大きな地震の揺れなどに耐えられない場合などで、同じく揺れた所でも、あちらの家は大丈夫で、こちらの家は全壊だ！よくよく調べてみると、全壊の家はシロアリにやられて、柱の強度が弱くなっていた。
床がミシミシと音を立てたりするのもシロアリ被害の一つの影響ですが、深刻化させないためには早めの対策が必要です。そんな憎いシロアリですが、日本に多く生息する在来種のヤマトシロアリは、すぐに侵攻するような獰猛なシロアリではありません。こう書くと語弊があるかもしれませんが、外来種のイエシロアリは急速にしかも深刻な被害をもたらします。
イエシロアリは、関東より西の太平洋側に多く生息しています。ヤマトシロアリに比べると、生息地域は少ないですが非常に厄介で、侵食スピードが強烈に早く、広範囲に広がります。家の2階や天井裏にまで被害が広がることがあるようです。
30年ほど前、南方系のクマゼミの北上がかなり話題になりました。詳細が解明されてはいませんでしたが、温暖化によって生息域が北に広がっているという説が有力でした。クマゼミをご存じない方もいらっしゃるでしょうから少しだけ説明すると、明け方から朝にかけて「シャシャシャ…」「ワシワシワシ…」と大音量で鳴くセミで、有体に言うと「騒音」です。60年ほど前には大阪など関西ではそれほど多くはなかったセミですが、20年ほど前には6割弱、10年ほど前には大阪に生息するセミの7割がクマゼミと言われるようになりました。今では大阪でセミと言ったらクマゼミだそうです。
クマゼミの北上に温暖化が関係しているとして、同じことが南方系の外来種であるイエシロアリについても言えないかと気がかりです。クマゼミに関してはその後自治体で「セミのぬけがら調査」なども行われていますが、主に冬の平均気温が高くなったことで、越冬できる環境になっているとの見方が強いようです。
本州と北海道の間にある津軽海峡には、ブラキストン線と呼ばれる生物地理学的な境界線があって、この線を境にゴキブリはかつて北海道にはいないとされていましたが、都市のヒートアイランド化も手伝って、札幌でも生息できるようになっています。シロアリもゴキブリの仲間ということを考えると、近い将来もしかすると。。。

こわい話です。シロアリの世界でも凶暴な外来種がおりまして、幅を利かせつつあります。テレビの「池の水を全部抜く」シリーズを見てもわかるように、在来種は肩身の狭い思いをしているようで、駆除業者も戦々恐々としているようです。在来種としてはヤマトシロアリがあってシロアリ被害全体の92％がヤマトシロアリによるものですが、近年、外来種イエシロアリの被害が拡大しています。
何が違うのかというと、侵食のスピードで、幸運にも!?スウォームに遭遇したら、対策は待ったなしです。イエシロアリは、国際自然保護連合（IUCN）の世界の侵略的外来種ワースト100の中にランクインするほど、凶悪な害虫です。万一見つけることができたなら、一つ、二つギアを上げて対策に乗り出してください。放っておくと被害が急速に拡大するため、一秒でも早く専門業者に相談・依頼して駆除してもらいましょう。
現状では、関東以西の太平洋側に生息していて、四国や九州ではこのイエシロアリが、シロアリ被害のメインです。やはり年に1回スウォーム（群飛）します。ただ、ヤマトシロアリの群飛が4月から5月であるのに対して、イエシロアリのスウォームは6月～7月とずれているのです。スウォームに遭遇しても、そのシロアリが何の種類なのかわかる人はそう多くありませんが、警戒期間を少し伸ばして監視するしかありません。ちなみにヤマトシロアリのスウォームが昼間であるのに対して、イエシロアリのスウォームは夜間であることが多く、見た目も違います。羽の色はヤマトシロアリが少し黒っぽいのに対して、イエシロアリは乳白色です。
このイエシロアリの現状を最新のデータをもとに分析してみると、四国などではスウォームのピークはやはり2つ見られ、5月の頭と、7月の頭です。西日本で7月頭といえば梅雨本番で、近年は記録的な大雨も頻発しています。そんな状況になったらシロアリ注意を呼び掛けるのもなかなか憚れますので、今ここで注意を呼び掛けておきます。
「落石注意」の標識の例もあるように、これを見た運転手は、「本当に落石があったらどうやって逃げるんだよ！」と心の中でつぶやくそうですが、遭遇した時に、知っていたのと知らないのでは対処に差が出てくるそうです。大雨の間隙を縫って群飛するとは、ますます手強い相手ですが、そういうヤツがいることを覚えておきましょう。